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ベビー(赤ちゃん)

更新日:2015.01.22

赤ちゃんにも腸活は必要不可欠!助産師さんに聞いた、新生児期の便秘解消法

赤ちゃんにも腸活は必要不可欠!助産師さんに聞いた、新生児期の便秘解消法

新生児期は授乳をするたびにうんちをする赤ちゃんもいれば、2〜3日うんちが出ない赤ちゃんもいます。排便のペースがいつもと違うと、便秘を心配するママもいらっしゃいますよね。本記事では、助産師さんにお聞きした「赤ちゃんの便秘解消を促す方法」についてご紹介します。赤ちゃんの便秘に悩んでいる人は、ぜひ参考になさってください。

1.腸活は大人だけではなく赤ちゃんにも必要

腸内環境を整えると免疫が高まり、健康や美容によい影響があることは良く知られています。食事内容に気を配ったり、定期的に運動をしたり、腸活を実践している人もいるでしょう。

じつは腸活は大人だけでなく、赤ちゃんにとっても重要です。赤ちゃんのころから腸内環境を整えることで、さまざま病気を予防できるといわれています。

1-1 腸内環境とは?

人間の腸内に生息しているのが、腸内細菌です。顕微鏡で腸内を観察すると、腸壁に並んだ腸内細菌が花畑のように見えるため、「腸内フローラ」と呼ばれることもあります。

腸内フローラは善玉菌・日和見菌・悪玉菌の3つに分類され、腸内環境は腸内フローラのバランスに大きく左右されるのが特徴です。たとえば、悪玉菌が増え過ぎると腸内環境が悪化し、便秘や下痢の原因となります。また、免疫が低下し、体の不調につながるおそれもあるため注意が必要です。

善玉菌・日和見菌・悪玉菌の割合は2:7:1が理想的といわれていますが、さまざまな要因で日々変化します。そのため、腸活で腸内環境を整えることが大切です。

1-2 いつから腸活をはじめるべき?

ママが持つ腸内細菌は、赤ちゃんが産道を通る際に伝わるといわれています。そのため、腸活は赤ちゃんがおなかの中にいるときからはじめるべきです。便秘に悩む妊婦さんは、食事内容や水分摂取のタイミングなど、一度見直してみるとよいでしょう。なかなか改善しない場合は、検診時に医師や助産師に相談することをおすすめします。

また、母乳に含まれる乳糖は、善玉菌の一種であるビフィズス菌を活性化させるため、離乳食前の赤ちゃんの腸内環境に大きな影響を与えます。離乳食開始後は水分不足による便秘が起こりやすくなるため、しっかりと水分補給をしましょう。

さらに、最初の1000日(2歳まで)は大腸が成長する期間です。2歳までの腸内環境は、その後の発達に影響を及ぼすと考えられています。

ママにも赤ちゃんにも、腸活は不可欠なのです。

2.赤ちゃんの腸内環境をチェックする方法

赤ちゃんの腸内環境は、便の状態で確認することができます。離乳食前の赤ちゃんの便は、酸っぱい匂いがするのが特徴です。これはビフィズス菌がつくる酸性のにおいで、健康の証。大人とは違うにおいですが、問題ありません。

離乳食が始まると腸内細菌のバランスが変化し、一時的に便秘になることがあります。しかし、赤ちゃんの排便のペースは不安定なもの。赤ちゃんの体調や食欲に変化がなければ、しばらく様子を見てみましょう。

3.腸内環境を整えるためのポイント

腸内環境を整えるには、食事内容や水分補給に気をつけ、適度に体を動かすことが大切です。特に、発酵食品や食物繊維は、便秘予防に効果的。毎日の食事に積極的に取り入れるとよいでしょう。ママと赤ちゃん、それぞれの腸内環境を整えるポイントは次のとおりです。

3-1 ママ編

妊娠中は便秘になりやすいため、善玉菌を増やす作用のある食材を積極的に摂取することが大切です。発酵食品や食物繊維、オリゴ糖の含まれる食品を意識して食べるようにしましょう。たとえば、下記のような食品が腸内環境を整えるのに適しています。

  • 納豆
  • ヨーグルトやチーズ
  • キムチ
  • 味噌や醤油
  • ぬか漬け
  • 山芋
  • 海藻類
  • きのこ

また、1つの食材を一度に大量に食べるのではなく、複数の食材を組み合わせて毎日こつこつ摂取するのがポイント。具沢山の味噌汁をつくったり、ヨーグルトにフルーツやグラノーラを入れたり、キムチと納豆を混ぜるなど、無理のない範囲で工夫すると継続しやすくなります。

3-2 ベビー編(離乳食後)

赤ちゃんは便を押し出す筋力が低いため、便秘になりやすい傾向にあります。水分を多めに取らせ、発酵食品や食物繊維を積極的に取り入れましょう。赤ちゃんが取り入れやすい腸活に適した食品には、次のようなものがあります。

  • さといも
  • 大根
  • キャベツ
  • りんご
  • とうもろこし
  • 大豆
  • しめじ
  • ほうれん草

また、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。どちらか一方ではなく、バランスよく与えることが大切です。水溶性食物繊維は水分を保持する働きがあり、便を出しやすくします。不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸の動きをサポートするのが特徴です。

食品によって食べられる月齢の目安が異なるので、離乳食の進み具合に合わせて上手に取り入れましょう。

4.赤ちゃんと便秘について

どんなに気をつけていても、赤ちゃんが便秘になってしまうことはあります。赤ちゃんが便秘になる理由と、便秘になりやすい時期について解説します。

4-1 赤ちゃんが便秘になってしまう理由

赤ちゃんが便秘になってしまうのは、消化器官の機能が未発達なため、便の形や排便のペースが安定しないからです。発達スピードや腸内環境には個人差があるので、便秘とは無縁の赤ちゃんもいれば、便秘がちな赤ちゃんもいます。

また、赤ちゃんは筋肉も未発達のため、便を押し出そうといきむ力が弱い点も、便秘になる理由のひとつです。

さらに、離乳食がはじまると、赤ちゃんが食べたものは腸内環境に大きく影響します。生後まもなくは赤ちゃんの腸には多くのビフィズス菌がいますが、離乳食が始まると日和見菌や悪玉菌が増加。腸内環境が悪化し、便秘になることがあります。

4-2 赤ちゃんが便秘になりやすい時期

赤ちゃんは新生児と生後2・3か月ころ、生後5・6か月ころに便秘になりやすいといわれています。

新生児の時期に便秘になるのは、運動不足が原因です。新生児は眠っている時間が長く、あまり動きません。運動によって腸に刺激が伝わる機会が少ないため、便秘になりやすいのです。

なお、母乳に含まれる乳糖にはビフィズス菌を活性化させる作用があり、良好な腸内環境を保つのに役立ちます。そのため、母乳で育つ赤ちゃんのほうが便秘になりにくいといわれています。

生後2・3か月ころに便秘になりやすいのは、消化器官が発達し腸内に便をためられるようになることが理由です。まだ便を押し出そうといきむ力は弱いため、便がおなかにとどまってしまい、便秘になることがあります。

生後5・6か月ころに起こる便秘は、離乳食が大きく関係しています。離乳食が始まると、母乳やミルクだけの時期よりも水分不足になりやすい傾向に。そのため、便が固くなり、便秘になってしまうのです。

5.新生児の便秘解消方法

排便の回数や量が減ったり、便が固くなったりしたときは、便秘の可能性があります。便秘でも赤ちゃんの体調や食欲が普段と変わらないなら、すぐに病院に行く必要はありません。まずは自宅でできる便秘解消方法を試してみましょう。

5-1 赤ちゃんが過ごしやすい姿勢にする

便秘がちの赤ちゃんは「ううん~ううん~」とうなって、苦しそうに見えることがあるかもしれません。抱っこしているときはすやすや寝ているのに、ベッドに寝かせると目を覚ましてしまう場合は、バスタオルをくるくると巻いて足を乗せてあげましょう。おなかがピンとのびないので、落ち着く赤ちゃんもいます。
また、横向きで寝かせてあげるのもおすすめ。背中が丸くなるように横向きに寝かせてあげると、ママのおなかの中で過ごしていたような姿勢になって、眠りやすくなります。

5-2 おなかを直接触ってマッサージ

赤ちゃんの便秘には、おなかを直接マッサージするのも効果的です。まず、マッサージに必要なものを準備します。

  • バスタオル(赤ちゃんの背中の下に敷きます)
  • 防水シーツとおしりふき
  • マッサージオイル
  • おもちゃ

赤ちゃんにマッサージをすると、気持ち良くなっておしっこやうんちをしてしまうことがあります。バスタオルの上に、防水シートを敷いておくと安心です。マッサージオイルは、肌に負担の少ないものを選びましょう。赤ちゃんがぐずったときのために、お気に入りのおもちゃをすぐそばに用意しておくことも忘れずに。

次に、部屋の温度や明るさを確認し、十分なスペースを確保します。爪が長い場合はあらかじめ切っておいてくださいね。手を洗って清潔にしたら、赤ちゃんのおなかにオイルをつけ、大きな円を描くように時計回りにマッサージをしてあげましょう。おなかが少しへこむくらいの強さで、ママの手の暖かさを伝えるように、おなか全体をゆっくりとマッサージします。

マッサージの回数の目安は3〜5回。便秘をなんとかしようとして、力を入れすぎないのがポイントです。ただし、次に当てはまる場合はマッサージを控えてください。

  • 満腹や空腹のとき
  • 予防接種のあと
  • 発熱しているとき
  • 湿疹があるとき

赤ちゃんの様子が普段と違うと感じる場合も、マッサージは行わないようにしましょう。

5-3 脚の「シーソーの動き」でおなかを動かすのも◎

脚をシーソーのように動かして、おなかに刺激を与えるのも便秘解消に効果的です。

赤ちゃんを仰向けに寝かせて左右の膝の下を持ち、ゆっくりと脚をおなかに寄せていきます。このとき、あぐらをかくような脚の角度でおなかに寄せるのがポイント。片足ずつ交互に、シーソーのように脚を動かしてあげましょう。この動きで赤ちゃんの腸が刺激され、おなかの働きが良くなります。

「みーぎ、ひだり」など声をかけながら、笑顔で脚を動かすと赤ちゃんも喜ぶはず。赤ちゃんと一緒に、体を使ったコミュニケーションタイムを楽しんでくださいね。

5-4 苦しがってうんちが出ないときは綿棒浣腸で肛門刺激を

機嫌が悪く、おなかが張って苦しがる状態が続いているなら、綿棒浣腸をしてあげましょう。癖になったら心配という人もいますが、成長とともに自力で排便しやすくなっていくので、心配はいりません。おなかの動きが活発になる授乳・食事の30分後くらいに行うと効果的といわれています。なお、授乳直後は吐き戻しの可能性があるため、綿棒浣腸は避けてください。

準備するもの

大人用綿棒
ワセリン(普段使用しているベビーオイルでも可)
オムツ替えシート
替えのオムツとおしり拭き

まず、オムツ替えシートの上に赤ちゃんを寝かせ、替えのオムツを用意します。次に綿棒に多めにワセリンをつけ、赤ちゃんの脚を持ち上げて肛門から1cmほど挿入。肛門の内側をゆっくりとなぞるように、やさしく円を描くように動かします。このとき、あまり強く刺激しないように注意しましょう。

綿棒浣腸をして綿棒に便がついているなら、まもなく排便があるサインです。すぐに排便がない場合は、少し時間をおいて様子を見ます。無理に綿棒浣腸をくり返さず、おなかのマッサージや、脚をおなかに寄せる動きをしてあげましょう。長く便秘が続くときは、小児科の先生に相談してくださいね。

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