2022.11.18
幼児期から学童期の4歳から10歳までの児を対象に皮膚科専門医による皮膚状態の確認と実態調査を論文として報告
幼児期から学童期の4歳から10歳までの児を対象に皮膚科専門医による皮膚状態の確認と実態調査を論文として報告
敏感肌スキンケアメーカーの株式会社ナチュラルサイエンス(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小松令以子)では、幼児期から学童期の4歳から10歳までの児を対象に皮膚科専門医による皮膚状態の確認と、機器測定による実態調査を行いました。 本研究成果については2021年1月に開催された第44回日本小児皮膚科学会学術集会にて発表し、2022年10月31日に発刊された「アレルギーの臨床11月号」に掲載されました。
概要
弊社はこれまで、皮膚科、小児科、産婦人科の医師の協力のもと新生児や乳幼児の皮膚の調査やスキンケアの効果を検証してきました。近年、新生児や乳幼児については皮膚の保湿機能を保つことの必要性は広まりつつあります。しかし、幼児期から学童期は屋外で活動的になり、外的刺激にさらされることが多くなりますが、皮膚に関する実態調査の報告は多くありません。
そこで今回、幼児期から学童期の4歳から10歳までの児を対象に皮膚科専門医による皮膚状態の確認と、機器測定による実態調査を行いました。
その結果、医師の皮膚所見から乾燥や落屑がみられ、また機器測定より角層水分量や皮脂量が少なく保湿機能が低いことがわかりました。また4歳から10歳の真皮厚や密度は増加傾向にあり、成長段階にあることがわかりました。
研究結果の概要
近年、新生児や乳幼児の皮膚生理機能が報告され、出生後早期からの保湿剤の塗布により、アトピー性皮膚炎をはじめとした、アレルギーの発症を減少させることが明らかになってきています。新生児や乳幼児については、皮膚の保湿機能を保つことの重要性は広まりつつあります。
新生児期や乳児期と比較し、幼児期から学童期の生活は行動範囲が広がり、外での活動も増えることから外的刺激を受けやすく、湿疹・皮膚炎が生じやすいと言われています。最近の報告では、幼児期から学童期にアトピー性皮膚炎を発症する児は症状が継続する可能性があり注意が必要であると報告されています。しかしながら、幼児期から学童期の小児の皮膚に関する調査報告が少ないため、私たちは今回4歳から10歳の健常な小児を対象に皮膚状態を調査しました。
結果
本研究では、4歳から10歳までの健常な小児35名(男児17名、女児18名)を対象に、皮膚科専門医に皮膚所見と機器による角層水分量や皮脂量、皮膚厚などの測定を行いました。 また被験者背景より未就学児の4歳から6歳の幼児群と7歳から10歳の学童期群に分け解析しました。
1)皮膚所見(図1)
皮膚所見では、幼児群、学童期群の両群に乾燥や落屑が全身に見られました。
図1_皮膚所見(観察項目別)2)角層水分量、皮脂量(図2)
角層水分量は幼児群、学童期群とも低いことがわかりました。皮脂量は幼児群と比較し学童期群の額部だけは高い傾向にありましたが、それ以外の部位では学童期群は低いことがわかりました。
図2_機器測定3)皮膚厚(図3)
上肢の皮膚厚の測定から、4歳から10歳において表皮厚の年齢による増加は見られませんでしたが、真皮厚や皮膚密度は額部、腹部、上肢、下肢で年齢とともに増加傾向にあり、皮膚は成長段階にあることがわかりました。
図3_皮膚厚・皮膚密度(上肢)と年齢の相関考察
皮膚所見、機器測定の結果から、幼児期や学童期の皮膚状態は角層水分量が低く、皮脂量も少なくバリア機能が低いことで、乾燥や落屑など皮膚症状の変化が見られることが示唆されました。新生児期・乳児期と比較し、幼児期・学童期では行動範囲が広がりますが、近年の報告では大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の誘因となる可能性があるため、活動的な幼児期や学童期においても皮膚バリア機能を高める必要があると考えられます。皮膚バリア機能を高めることは、アトピー性皮膚炎だけではなく経皮感作による食物アレルギーの発症、それに続くアレルギーマーチの予防となる可能性があるため、幼児期や学童期における洗浄や保湿、紫外線ケアなどのスキンケア指導が重要であると考えられます。
ナチュラルサイエンスでは今後、幼児期や学童期は紫外線や乾燥などの様々な影響をうけるため、更なる皮膚状態の調査を行い、アトピー性皮膚炎やアレルギーの予防となりうる適切なスキンケア方法を提唱していきたいと思います。
※試験期間:2020 年 3 月に実施
論文について
- タイトル:
- 幼児および学童児の皮膚に関する実態調査
- 筆者名:
- 小谷野豊1)・小池田崇史2)・中島大輝1)・藤浪未沙1)・田中聖子1)・佐藤嘉純1)・小松令
以子1)
1)株式会社ナチュラルサイエンス、 2)芝パレスクリニック - 掲載誌:
- 「アレルギーの臨床」(11月号 2022.vol42(12).P35-41 )
参考
株式会社ナチュラルサイエンスとは
敏感肌スキンケアメーカーであるナチュラルサイエンスは、赤ちゃんと一緒に使える低刺激のスキンケアを中心に、肌本来の力を引き出すスキンケアやサプリメントなどの研究開発・販売を行っています。特にブランドの中心である「ママ&キッズ」は皮膚科・小児科・産婦人科の協力のもと開発を行い、低刺激性を実現。またその効果を確かめるため、大学病院や皮膚科での臨床テストを実施するなど、徹底的に品質をチェックしています。
4 歳から 10 歳頃( 思春期前)までを対象とした洗浄・保湿ケアアイテムがそろう
「ママ&キッズ キッズライン」
ママ&キッズ キッズラインは皮膚科専門医の協力を得て、学童期(4 歳~10 歳頃(思春期前))のキッズの肌のために開発されたスキンケアシリーズです。肌に本当に必要なものだけを絶妙なバランスで配合し、香料や着色料など、不要なものはできるだけカットしました。ベビーや大人よりも皮脂が少なく、乾燥している学童期のキッズの肌をうるおいで満たします。
▼製品詳細
https://www.natural-s.jp/s/pickup/kidsline/